2005年 05月 14日
Book Review ①
<サクラも花、ケナリも花> 鷺沢萠
お父さんが韓国とのハーフ、父方のおばあさまが韓国人、でもって自分はクォーターだってことにお父さんが亡くなって二十歳をこえてから気づいた彼女が、自分にとっての韓国について考えてそこで暮らした時のお話。
これを見て思い出したのは、窪塚と柴咲コウが共演した映画『GO』を観た時の未消化感。『GO』では窪塚演じる主役が確かやっぱり在日コリアで、柴咲の役と付き合おうとするんだけどいざってところで自分が在日であることを告白すると柴咲役から拒絶される。
「私、お父さんに小さい頃から言われてるの。(コリアは)血が汚いからって・・」
台詞もすごいけどその、そこまで嫌悪する情(と言っていいものか)は一体どっからくるのさーと全く理解できないでいました。この映画は他にも見所あったけど原作者としても映画の中のストーリーとしてもここがネックなので、わからなくってすっきりしなかった。
国籍だとか、血というもの、自分の素性 を私は全然気にせずにきたけれどそれが大きくアイデンティティに関わっているということ。気にしないでいられるほど自分が同一・同質集団のなかでぼんやり過ごしてきているということ。
こんなことを感じられた一冊。
by scent12th
| 2005-05-14 02:02