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『愛だからいいのよ』 

内田春菊のエッセイ。
内田春菊はあの、東京電力のでんこちゃん書いている人です。
会長やトモッツには通じると思うのですが、実は心理学の教科書「マインドスペース」にも彼女の本からの引用があるですよ★

この本には個人的な思い出がありまして。
浪人していた夏のこと、いつもとは違う池袋の校舎で講習を受けていた私は池袋の人の多さに合わない狭さにダブルパンチを食らっておりました。
夏だから空き時間は勉強するだろうと思って朝と夕方のコマを取っていたため池袋を離れるわけにもいかず、自習室にこもろうとしても人が多くて使えず、結局外へ出て大して勉強しないでいました。
そんな私のよりどころだったのが、池袋ジュンク堂。1階からエスカレーターを上がっても上がっても、ひたすら本が並びます。ジュンク堂は図書館みたいなディスプレイだし、棚近くや窓際などに座って読めるスペース作りがなされているのでものすごく落ち着いたのを覚えてます。

大抵の浪人生・学生が行くのは最上階の参考書コーナー。しかし、私はさっぱりその階によりつかず、他の本屋ではあまり見ることのない品揃えに興奮していろんな階をさまよっていました。

そのうち背表紙のならびにぽんと表紙が正面になって並べられていたのが、この『愛だからいいのよ』です。(ちなみに隣にあったのは『内田きんぎょく』です(勿論あの字を書きます)
どぎつさに押されつつ手にとって読んだが最後、夕方の授業まで延々立ち読みを続けて気がついたらその本ほとんど読みきるほどでした。

その頃倦んでいた気分を押し流してくれるほど、強烈で(私から見れば)はちゃめちゃで、全体にわたって「そんなんアリ?!」といわずにはいられないほどの展開なのです。
今読み直してもそう思う。
けど一番惹かれるのは、思うさまを率直に書いていること。
生活の中でおきた、人との衝突も、裁判沙汰も、子どもの出産も。
これですら彼女の人生の断片でしかない、と思うと人一人生きてることってほんとすげー、と思わざるを得ません。何でもおきるのね、と思う。

逆に自分の生活に変化が少ないことを認識するに至ります。
ただ、彼女みたいになりたいと思うわけではないし、自分の生活を味気なくってだめと思うこともないんだけれど(きっとこれだから、変化が少ない)

あたしは今でもぬるま湯に浸かっている。
by scent12th | 2005-07-26 23:55

嘘もホントもベニニッキ。 ことばでどうでしょう。

by scent12th
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