新宿の店の話

ほんとに今更読めた。
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写真が殆どなので読む、というよりは見る本。
私は中の人で、元ここの人で、本を選んだ人たちと面識がある。だからお客さんの気持ちでしんみりするのとは違う、何層かのへんな気分を味わいました。

閉店が公になった頃には既に、通常営業をしながら閉店を見据える管理もしており、最終日に近づくにつれ忙しさは極まるばかりと聞いてました。
どのくらい前から始めたかは分かりませんが、普通でもフェアの準備は最低でも2週間。注文したものが揃ってくるまで単純に時間がかかるんで。この本に出てきただけでもその点数は軽く100を超えている。それがまとまってきた時の段ボールの山を思う。それを台車に積んでは下ろし、棚に並べを何度繰り返したのだろ。
そしてPOP。見出し、看板。
選者自身がPOPを描いたにしても、POPて何回か描いていても時間がかかるものだ。それに見ればわかるけどどれもかなりアドレナリン全開の言葉が綴られている。そんな言葉が溢れてくる情況ってどんなだろう。

ここに引っかかる理由はもう一つある。
私はこれらを書いた人たちと働いた。でも、その人たちがこんな本を売りたい、この本に対してこんな思いがある、ということを目の当たりにして面食らったのだ。
つまりはそこまで知らなかっただけなのだろうけど、私は二年半もいて殆どの方に新人期間支えて助けてもらったにも関わらず人となりを知らなかった、それに他人事のように驚いてしまった。


こんなにも本が好きで、教養があり、自由で、表現したい情熱に溢れた人の中にいたとは知らなかった。


そして今の店との決定的な違いを見せつられたような気もした。
本と、本をとりまく様々な人やもの、背景、これに今、私は熱くない。


仕事としての良し悪しは決めることないと思うけど、本から読み取ってしまった圧倒的な人間くささみたいなものには、どうしてか惹かれる。
これがより多くのスタッフに伝播したら、お客様だけじゃない作り手やさまざまな人を巻き込んで、一緒にあるべき店が作られていくんじゃないか、とそんな直感がある。


ましになったとはいえ、新宿とはまだまだ比べ物にならない未熟な店だとおもう。オープンからこっち、中の人として何をどうすれば良くなるのか、雲をつかむような感じでやってきた。まだ全く掴んでいない。具体的な欠陥は毎日表面化するけれど、良くなる、の根本に何故か全くたどり着けなかった。
それでも新宿から私を送り出してくれた先輩はもっと良くなる、新宿もそうだった、積み重ねるんだよ、と言ってくれて私は益々分からない(笑)

あっという間に二年が過ぎる。



話が冒頭に戻るけれど、こんなに大変な売り方をして、同時進行で段々と返品片づけをする日々が続いた中、それぞれがこの先の生活を模索したはず。
所属店が変わった人、業界でも作り手に行った人、業界自体かわった人、さまざま。

私は今の店で、最終日の何日も前から休みなく閉店作業に追われ、感傷に浸る間もなく異動してきたスタッフの受け入れをした。

正直、こんな大変な思いをして数日で今度は新しい環境に入るなぞなんてハードなことさせたんだろう。
彼らに説明するため少しは気持ちも準備をしたけど、振り返ると全然優しくできなかった。申し訳なさで今更いっぱいだ。
よくぞ今も続けて居てくれるな、ありがたいとも思う(勿論本人たちが選んでそうしていることは承知だけどやっぱしみじみ。)

今年の春は、大変だったなぁ。
やっと季節が変わったんだと思う。

舞台も人も変わったけれど、多分生み出されていくのはこれから、だと思いたい。


珍しくそんな前向きなことを思ってしまった夜でした。

知らない本がかなり多いので早速物色しよ
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by scent12th | 2012-07-22 01:30

嘘もホントもベニニッキ。 ことばでどうでしょう。
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